2009-01-01から1年間の記事一覧

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公式> 古代ギリシャ、スパルタ王国の王と勇猛な戦士が巨大ペルシャ帝国軍と戦う物語。原作は『ダークナイト』『シン・シティ』でおなじみフランク・ミラーのグラフィックノベルをザック・スナイダーが映画化。 ビジュアルは、ダイナミックな視界の動きという…

椿三十郎 

<参考> 黒澤明、1962年の作品。 ストーリーの概略は、ある藩のお家騒動。 ある勢力の不正をただそうとする老城代と彼を支持する若侍のグループがいる。 不正をはたらくワルの勢力には3人のひとくせありそうな初老の侍と、部下の切れ者がいる。そこへ正体不…

ケモノヅメ 監督 湯浅政明

公式> これ、DVDがレンタル店に途中までしかなくて、物語のこれから、っていうところまでしか見ていないから、非常に中途半端感があるのだ。 世界としてはかなり好み。お話は、「昔から存在した食人鬼の一族(普段は人間の格好で、なにかのトリガーで変身し…

人狼 監督 沖浦啓之

公式> むかーし、東京都写真美術館で、これの設定資料や原画を展示していたような覚えがある。パラレルワールド的な1950年代の東京にちょっと技術世代としては合わないハイテクギミックぽいものがまじる世界。正直このトーンは好きだ。手描きセルアニメでほ…

ベクシル 監督 曽利文彦

公式> 絵はフルCGにアニメ的輪郭をつけて従来のアニメファンになじみやすくしたという『Appleseed』の手法の洗練で、キャラ造形が弱くて(デフォルメに今ひとつクセがなくて)ゲーム画面的になっている部分と、メカや背景があまりにCGぽくていまひとつスリル…

パプリカ  監督 今敏

公式> 同じ時期に見た、青春ノスタルヂアモノの『時をかける少女』はちょっと入り込めなかったけれど、こちらはずっと年を食った世界であり、設定であり、つまりおっさん向けである。筒井康隆お好みの映画の引用と夢の融合。引用される映画はすべて遠い昔の…

いろいろレビュー2

またまた、前に見たヤツのショートレビュー。 このラインナップの微妙すぎる古さ・・・

ハイ・フィディリティー    監督スティーブン・フリアーズ

参考> マニアックなレコード店のオーナーが主人公のストーリー。音楽オタクの大人になりきれない初期中年(ジョン・キューザック)という設定だった。日本で言うと、すくなくともそういうキャラクターは女性とうまく関係が築けないタイプだ。だいたい敵役にモ…

プラダを着た悪魔   監督デビッド・フランケル

公式> これもかなり古典的なストーリーで、どこかの教科書にある「映画脚本10のステップ」をそのまま肉付けしたみたいだ。しかも実在モデルがある内幕モノのわりにはファンタジックな物語だ。まあ「働くオンナが元気をもらう1本」狙いなんだろうからそれ…

さくらん   監督蜷川実花

公式> 主人公土屋アンナは、表情が決まったときは、原作安野モヨコの絵のような、白目が目立つ巨大な瞳のキャラクターを完璧に再現する。ところが角度や表情によっては突然単なる下膨れのエキゾチック・ウーマンに変わる。そういう意味では菅野美穂のほうが…

夏至   監督トラン・アン・ユン

参考> おなじ監督の2000年の作品。スタイルは『パパイヤ』とほとんど変わらない。視覚以外の気持ちよさを感じさせるマジックは続く。古都にすむ3姉妹の、伝統のスタイルに今風テイストをうまく取り入れた暮らし。こんどはロケーション撮影がふんだんに使わ…

青いパパイヤの香り  監督トラン・アン・ユン

参考> 監督、トラン・アン・ユンの独特なところは、触覚的なセンスの映像だろう。エロスの表現も、肌や髪にクローズアップで寄って、形態的な(=視覚的な)エロスより、触れたときの、あるいは嗅いだときのエロスを思い出させるような絵をつくる。 ふんだん…

いろいろレビュー1

最近ぜんぜん映画を見ていないので、前にみた映画の短めレヴューを書いてみる。

ローズ・イン・タイドランド

参考テリー・ギリアムの最新作は、ヒース・レジャーが途中で死んでしまったせいで製作が中断していたけれど、2009年にようやく完成した。 だいたいギリアムは中断や途中でポシャる企画が多い監督で、『ロスト・イン・ラマンチャ』という、自分の映画がポシャ…

蜘蛛巣城

参考(Wiki)シェイクスピアのマクベスをほぼ忠実に時代劇に翻案したこの物語、陽性でどことなく楽天的なものが多い黒沢の時代劇の中ではめずらしく、ダークな世界だ。霊や物の怪、裏切りと暗殺と物狂いの世界。 コミカルな演出(たとえば『隠し砦の三悪人』…

アンヴィル 夢を諦めきれない男たち

公式サイト公開中にレビューを上げるなんて、この自宅系映画ブログではとってもめずらしい。めずらしいといえばUPLINK(配給会社)がこんなド派手なプロモーションをするのも、めずらしいんじゃないの? オレが知らなかっただけで、最近はこういう社風? で、…

あるスキャンダルの覚え書き

公式サイト女教師バーバラ(ジュディ・デンチ)とシーバ(ケイト・ブランシェット)の関係をじっとりと描き続ける。何度も見返したくなるようなチャーミングな映画じゃないけれど、スリリングで集中を途切れさせない。 定年間近のバーバラはコミュニケーショ…

イースタン・プロミス

公式(よけいなFLASHがないかわりに解説が詳しい!) 主人公ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)と同じく、映画そのものもすごくタイトな雰囲気だ。 監督デビッド・クローネンバーグの前作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』が、原作・設定がちょっと軽くてあ…

サッド・ヴァケイション

公式サイト青山真治の北九州三部作の三番目。最初の作品『Helpless』(と『ユリイカ』)の続編だ。 『Helpless』の人物たちは、わからないままに内から突き上げるような暴力の衝動に身をまかせ、映画はスケッチのようにシンプルにそれを描いた。11年たって、…

helpless

amazon:Helpless-DVD-青山真治浅野忠信はしかし老成しているな。 この映画は1996年公開だから撮影時は22歳くらい、高校生役だ。20台後半で中学生役をやるという(しかもギャグじゃなく)ことすらありえるんだから、ぜんぜんありだけれど、高校生にしてはほと…

精神

公式サイト久しぶりのロードショー。想田監督の「観察映画」第二弾・・・・・正直、疲れた。 ちょっと時間があいて、ささやかな娯楽をもとめて、ふとしたはずみにこの映画に入った観客が万一いたとしたら、不幸である。 まあほとんどいないと思うが。 しかし…

ザ・マジックアワー

公式サイト三谷幸喜の「映画愛」がナイーブなまでにストレートに表現された1本。ただ、その愛は、女あしらいの上手な男というより、不器用な純情男の片思いのような気がする。お勉強はよくできるのだが・・・こういったらものすごく失礼なんだが、三谷幸喜と…

PNDC エル・パトレイヨ

監督インタビュー(英語)アレックス・コックスの名前を最近きかなくなった。 一時はジム・ジャームッシュじゃないが、ちょっとしたカルチャー系の雑誌のかたすみでニュースが出ていたりしたんだけど・・・あ、そうか、そういうの読んでないや最近。 最近作…

六月の蛇

参考塚本晋也の2003年の作品。 この作品を見てあらためて思うけど、塚本晋也は洗練を求めないひとだ。一見サイバーでSF的世界を追求しているものの、手作りの人間くささを大事にしているように思える。 ・・・この映画も、タイトルロールがなぜか筆書き(の…

蛇にピアス

公式HPこの世界、僕はほとんど縁がないから、「へぇ〜 こんななんスかぁ」という感じではある。ただ刺青が、輪郭線も色のりも単純で、どことなく和彫りをベースにしたイラストみたいな感じで、正直あまり格好よく見えなかった。特に刺青師シバ(ARATA)の花札…

パコと魔法の絵本

公式HPこの映画、ビデオ屋に行くと、ジブリやディズニーの棚にポスター付きで並んでいる。お子さんとそのパパママが見る映画として、いちおう企画されているということだ。・・・でもそうか?アプローチとしては『チャーリーとチョコレート工場』で、そこ…

ノーカントリー −2

その1 公式HPこの物語、追われる者と追う者のクライムムービーとしてだけ見ても充分スリリングだ。コーエンらしい映画全体のトーンの統一感は文句なしに格好いい(中西部砂漠の、乾いた黄褐色をベースにした画面の色彩も)。 変に盛り上げる音楽はゼロ。びっ…

ノーカントリー-1

公式HP超いまさらながら堂々のエントリー。この映画、コーエン監督初の原作もので、だからといっては悪いが、タイトな構成で彼らの作品のなかでもトップクラスの完成度だ。原作、“No Countory for old men ”amazon:血と暴力の国 を読んでみると、かなり忠実…

鏡心

参考石井聰亙が韓国映画祭の企画で、制作費を与えられて自由に撮った(らしい)短編映画がベース。 監督自身が「自分のスタイルの中の一方の極致」といっているように、ドラマというよりひとつのメッセージを映像で表現したような作品だ。 序盤のドラマ部分…

デリカテッセン

参考情報1991年公開。そのとき見に行った。すごく新鮮に感じたのをおぼえている。 ひとついえることはこの映画、僕のかんちがいでなければ、確実にひとつのスタイルをつくった映画だということだ。 世界観という点では、この映画に先行して『未来世紀ブラジ…