ハイ・フィディリティー    監督スティーブン・フリアーズ


<参考>
マニアックなレコード店のオーナーが主人公のストーリー。音楽オタクの大人になりきれない初期中年(ジョン・キューザック)という設定だった。日本で言うと、すくなくともそういうキャラクターは女性とうまく関係が築けないタイプだ。だいたい敵役にモテ系がでてきて、しかし最終的に誠実な主人公が勝利を得たりするわけだ。
しかし観客がそういうキャラクターへの感情移入を期待すると、あっというまに弾き飛ばされる。彼はもてる男で、しかも性欲は存分すぎるほどに満たす。基本的に性的強者であり、日本的なオタク=性的弱者スキームはまったく通用しないのだ。むしろその香りとリアリティを濃厚に漂わせるのは、主人公が経営するレコード屋の店員(ジャック・ブラック、トッド・ルイーゾ)たちだろう。主人公の恋人ローラ役のイーベン・ヤイレがかわいい。本筋の音楽関係は・・・忘れてしまった。