2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

噂の女

予告編> 舞台は島原。主人公は芸妓や娼婦じゃない。お茶屋の女主人とその娘だ。毎晩のお座敷の予約を受けて、芸妓を手配し、料理や酒の差配をする。話は3作のなかで一番軽い。母(田中絹代)のもとに東京で失恋して自殺未遂したという娘(久我美子)が帰ってくる…

赤線地帯

んん?これ..> これはまたなかなかに・・巨匠のリアリズムといわれるこの作品だけど、娼婦たちも、遊郭も、そのまわりの路地もきれい目には撮らない。ついでにいうと、娼婦の平均年齢も高い。成人した息子がいたり、病身の旦那と子どもをやしなっていたりと…

祇園囃子

冒頭> 一番おもての世界、というか普通にメジャーな祇園。『祇園囃子』は3本の中でははなやかだし、新人の舞妓(若尾文子)も姐さん芸者(木暮実千代)もきれいに撮られている。新人舞妓はちゃんと芸事や所作のけいこをして、お披露目ではゴージャスな衣装を着て…

ミゾグチ、「この世界」もの3本

溝口監督の花街・遊郭もの3本。巨匠はとにかくこの世界を描いたものが多くて、ほかにも祇園を舞台にしたもの、いわゆるパンパンを描いたもの...いくつもある(未見だけど)。すくなくともこの3本、とくに『祇園囃子』『赤線地帯』は、とにかくシビアな現代劇、…

ルビー・スパークス

公式> ストーリー: 10代でセンセーショナルなデビューをかざった作家カルヴィン。いまでも彼と彼のデビュー作はそれなりに人気だ。でも作家はその後10年長篇が書けないでいる。自分の何が問題なのかいまひとつはっきりしない彼は夢で理想の女性と出会った。…

メランコリア

公式> 前に『HOME』や『不都合な真実』を見た時に思ったけど、環境問題の映画ってやけに終末感が濃いのがあるよね。どうしても聖書的な、堕落した人間と破滅の物語になしたくなるんだろうか。<終末を予感させる不吉な映像のたたみかけ→一条の光、ささやかな…

ロスト・イン・ラ・マンチャ

予告編> こちらは撮影延期や中止話がやたらと多いテリー・ギリアム師のドキュメンタリー。僕は彼の『ラスベガスをぶっとばせ』とか『ローズ・イン・タイドランド』とか大好きだ。逸脱していくものへのかぎりない愛情と共感に満ちている。でもものによっては…

ことの次第

予告編> ヴェンダース、1981年の作品。 ストーリー:アメリカのプロデューサーに雇われたドイツ人監督がポルトガルロケで古いSFのリメイクを撮ろうとする。カメラマンはハリウッドのベテラン(サミュエル・フラー)だ。ところがすぐにフィルムがもうないことが…

映画を撮れないことの映画もある

映画を撮ることの映画は面白いのが多い。 むかしから名作はあるけど、当ブログでいえば『僕のミライに逆回転』『ライフ・アクアティック』がそうだし『桐島、部活やめるってよ』も映画づくりがキモだ。なんだろうね。内幕モノの面白さもあるし.....よく考え…