プラダを着た悪魔   監督デビッド・フランケル


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これもかなり古典的なストーリーで、どこかの教科書にある「映画脚本10のステップ」をそのまま肉付けしたみたいだ。しかも実在モデルがある内幕モノのわりにはファンタジックな物語だ。まあ「働くオンナが元気をもらう1本」狙いなんだろうからそれでいいんだけど。しかし古典的なうえに、根底にある価値観がピューリタン的なものなので、最高にファッショナブルなNYのモード界を描く映画のはずなのに、映画そのものが今ひとつお洒落に見えない。着飾ってモード界を遊泳するむなしさに目覚めて、ざっくりした服に着替えて地味なジャーナリズムに回帰する、みたいなオチじゃ・・・
というかそういう映画じゃないんだろうね。自称Cutting Edgeな人たちはこれは見ない。もしくは見たいけど、言い訳して見る。本質的にはなつかしいJ-トレンディドラマと同質のものだ。フリカケが「お洒落ワールド」なだけだ。主人公アン・ハサウェイもベタに可愛い系の顔で、お洒落顔じゃない。それにしても後半のクライマックスではパリに行く、という部分がものすごーく大きい要素なんだけど、いまだにNYの最先端ファッションピーポオにとってそこまでパリは遠い憧れなのか。ホントか?