2014-01-01から1年間の記事一覧

殺しの烙印

予告編> ストーリー:殺し屋の世界にもランキングがあった。No.3の花田五郎(宍戸錠)が主人公。彼はある男を護送したり、だれかを殺したり、襲われたりいそがしい。妻(小川万里子)がいつつも要所でなぞめいたエキゾチック美女、美沙子(真理アンヌ)にひ…

殺人狂時代

予告編> ストーリー:ナチの残党に殺しを依頼された秘密組織のボス溝呂木(天本英世)。そのターゲットとなった一人が大学講師の桔梗(仲代達矢)だ。ところが彼は簡単にはやられない。なぜか接近してきた女性記者啓子(団令子)と車泥棒ビルと、次々襲って…

いまでも殺しはエンターティメントか?

戦後の日本はだいたい一貫して凶悪犯罪も殺人も性犯罪も減っている。ちょっと古いが警察庁の統計。性犯罪とか粗暴犯のピークは昭和30年代なかばから40年代なかばだ。「みんなが支えあっていた人情味あふれる時代」だったのかもしれないけれど、それなりにワ…

江分利満氏の優雅な生活

予告編> う〜ん、写真が地味だな。しかも上のときたらお母さんは三白眼、むすこは銃撃されたのかぐったりして、これじゃ日本の庶民版『グロリア』かと思ってしまうやろ。もちろんぜんぜんちがうし、だいたいお母さんがかまえているピストルは息子のおもちゃ…

横道世之介

公式> ストーリー:1987年、長崎から上京してきた大学1年生、横道世之介(高良健吾)。1年生らしいそわそわした日々、であう友人や先輩もいい人たちだ。年上の女性にあこがれる彼だけど、たまたま仲良くなったお金持ちの娘、翔子(吉高由里子)に気に入られ…

馬鹿が戦車(タンク)でやって来る

予告編> ストーリー:第二次大戦からしばらくたった農村。元大地主と市会議員がおおきな顔をしている。戦後の農地解放で自作農になったサブ(ハナ肇)たち一家は極貧で、母は耳が遠いし、弟平六(犬塚弘)は脳内メルヘン状態で自分が鳥だと思っている。戦争帰り…

ショート・ピース

公式> 全体コンセプトがやっぱりどうなのかと。「日本」て。そら日本でしょう。じゃあ日本を見せたいのか、日本に向き合いたいのか、昔の日本だと日本ぽいのか。あとづけのコンセプトぽいからしょうがないだろうけど、つけるなら煮詰めようよ。このオムニバ…

ユメ十夜

予告編> オムニバスつながりでちらっと。原作は夏目漱石のショート・ショート集。「こんな夢を見た」ではじまって、漱石が見たという体でイメージを拡げる。ここで全文よめます。十夜を十人の監督がそれぞれアレンジして、ある人はほとんど原作どおり(たと…

サンキューフォー・スモーキング

公式> ストーリー:タバコ業界のスポークスマン、ニック(アーロン・エッカート)はディベートのエキスパート。かれが呼ばれるシーンはほとんどアウェイだけど、論点をずらし、わざと相手を怒らせ、ときには文字通り相手を煙に巻いて、どんな不利な場面でも…

イカとクジラ

予告編> ストーリー:文学者の父(ジェフ・ダニエルズ)、父の影響で最近小説を書くようになった母(ローラ・リニー)。高校生の兄。小学生(たぶん!)の弟。親たちが離婚することになって、父は家を出て地下鉄で2駅先に引っ越す。子どもたちは交代であずかる…

ちょっとソフトな父と子もの

父と子、とくに息子の映画。アメリカの映画ってなぜかこの物語がすごく多い。べつに父子関係を持ってこなくてもよさそうな『チャーリーとチョコレート工場』でも『曇りときどきミートボール』でも父による息子の承認みたいな話が泣かせどころになってたりす…

監督失格

公式> ストーリー:AV女優、林由美香の主演作でデビューした平野勝之監督は,1996年の夏に2人で自転車に乗って北海道を目指すたびに出る。旅の記録は映画になって残り、2人の距離が離れてからも、なんとなくな友人関係はつづく。2005年、久しぶりに彼女を主…

ラスト、コーション

予告編> ストーリー:日本占領下の中国。傀儡政権で反体制派をとりしまる秘密警察の幹部、イー(トニー・レオン)。抗日活動の学生たちは日本側についている彼を襲撃しようとする。そのなかに入学そうそうスカウトされて、ハニートラップ要員にされるチアチ…

シェイム

公式>予告編> ストーリー:ブランドン(マイケル・ファスベンダー)はマンハッタンのこぎれいなアパートにすみ、そこそこの会社でそこそこ業績もあげているふうだ。かれの日常はほとんどセックス1色。コールガールと。上司が声をかけた美人に逆ナンされて屋…

8人の女たち

予告編> ストーリー:その屋敷にはリッチな夫婦と、妻の母・妹、それに娘とふたりのメイドがすんでいる。イギリスに留学していた上の娘が帰って来た雪の日、夫がベッドの上でナイフに刺されているのが見つかった。大雪で身動きが取れないし、電話線も切られ…

スイミング・プール

予告編> フランソワーズ・オゾン。ノーマークだったなぁ。見たことなかった。で、2作つづけて見た。公開順と違うけれど、まずこちら(以下、ややネタバレかも?)。 ストーリー:シリーズもののミステリー小説の人気作家サラ(シャーロット・ランプリング)…

007カジノ・ロワイヤル/慰めの報酬/スカイフォール

→予告編カジノ・ロワイヤル>慰めの報酬>スカイフォール> もともとこのシリーズ、あえて見るタイプじゃなかった。特にロジャー・ムーアとかピアース・ブロスナンとか、ああいうタイプのゴージャス顔がそもそも好みじゃないのだ。奴らがハイテクガジェットのお…

トゥモローワールド(原題:Children of men)

予告編> 『ゼロ・グラヴィティ』のキュアロン監督の2006年のディストピアSFだ。撮影はおなじエマニュエル・ルベツキ。 ストーリー:2027年、世界中で子供が生まれなくなってから18年たった。どの国も混沌におちいり、イギリスだけが国境線を軍隊で締めあげて…

ウィンターズ・ボーン

予告編> ミズーリ州オザーク高原。標高800m以下の、古い造山帯に属するなだらかな石灰岩の高地で、冬も普通は0度くらい、植生はシダー(ビャクシン)パイン(マツ)のような針葉樹とオーク(ナラ)ヒッコリー(クルミ)などの森だ。ネイティヴのあとこの土地を拓い…

ツリー・オブ・ライフ

予告編> この映画、1年くらい前にみた。それから最近になってもう1度みた。ものすごく傑作に思えるかというとそうでもないし、すごく好きなタイプかというとそうでもない。ただ不思議とずっと頭の中にある。監督テレンス・マリックが自分の父と弟との相克を…

インスタント沼

<予告編> ひさしぶりに本気でつまらないと思える映画に出会った。軽い感動を覚えるくらいにね。出だしのフィルム風に荒らした画面の自己紹介から始まってラストのとって付けたような「いいこと言ってるあたし」セリフまで1シーンをのぞいて面白いところが…

純喫茶磯辺

<予告編> 『さんかく』の吉田監督の2008年の作品。いい加減なバツイチのおやじ(宮迫博之)が思いつきではじめた喫茶店に、悪態つきながらも付き合う女子高生の娘(仲里依紗)。そこにふらっとバイトで入ってくる、どこかなげやりな女(麻生久美子)。とうぜん親…

ザ・マスター

公式> PTAの重厚シリーズ。神話的な人物伝を、完璧な構図と力強い色彩設計のすきのない画面で描き、ほとんどアナクロといっていいくらい荘重だった前作『ゼアウィルビー・ブラッド』。続いて、これも一貫してシリアスな映画だ。『ブギーナイツ』や『パンチド…

ブギーナイツ

予告編> ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の1997年公開作品。ひさしぶりにみたけれど、いい映画だなあ。好きだこれ。「映画を撮ることの映画」シリーズのひとつ。…ふと思ったんだけど、たいていの映画作家たちは、わりとじぶんたちを「弱者」の立場に見…

ポール・トーマス・アンダーソン2本 そしてP.S.ホフマン、R.I.P

下のエントリーを書いた翌日、現地時間2014.2.2にフィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなりました。本文では書いてないけれど、ブギーナイツに出てくる(写真には写っていますね)彼は少しまだ未完成な雰囲気で、少し哀しい役で、すごく魅力的だったのです…

ニューワールド

予告編> ストーリー:1600年代初頭、スコットランドからの開拓の船団が新大陸の東海岸にある静かな入江に到着する。船団の士官、ジョン・スミス(コリン・ファレル)は軍から追放される。そんな彼を迎え入れたのは先住民たちだった。先住民の王の娘ポカホン…

天国の日々

予告編> ストーリー:1910年代、主人公ビル(リチャード・ギア)と恋人アビー、それにビルの妹リンダの3人は、列車の屋根に乗ってテキサスの農場をめざした。広大な小麦農場で働くのだ。アビーはビルの妹ということになっていた。いつのまにか農場主、プリン…

ゼロ・グラビティ

公式> 見に行った。IMAX3D。ツタヤ旧作なら22本借りられる。でもこの映画、1年後にツタヤで22回借りるより劇場で1回見る映画なのは間違いない。 じつをいうとあまり書くことがないのだ。映像のプロや宇宙技術に詳しい人なら、撮り方のこと、科学ネタのリアリ…