フロスト・ニクソン ロン・ハワード


まったくピンとこなかったことを告白せざるを得ない。この映画は同名舞台で名演した俳優二人をそのまま配役したことからも、見せ場は名優たちの演技そのものということなんだろう。なかでもフランク・ランジェラニクソンの評価が高いのはみなさんご存知のとおり。
日本人にとっていえば「角栄」の映画化ということになる。相手は立花隆か。子供の頃からニクソンは知っていたし、名作と言われた自伝も読んだ。・・・という程度の予備知識はある僕だが、役者の「ニクソン性」の再現ぶりがどうだったか分かるほどには知らない。アメリカ人の観客ほどに刺さるものがないのは当然だろう。しかしだ。この映画の元になった演劇はイギリスで制作されているのだ。ウォーターゲート事件も、35年くらい過去、あきらかに「現代史」上の物語だ。つまり同時代人でなくても受け入れられる作品として当然作られているはずなのだ。しかしなあ、なぜだろう。正直に言うと何度か見たけれど、毎回微妙に途中で寝落ちして、一貫した印象がないのだ。