ゴーンガール


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強烈すぎるヒロイン、ロザムンド・パイクの顔に『ゴーストライター』のオリヴィア・ウィリアムスがどことなく重なった。旦那ニック役ベン・アフレックは同じ頃に撮っていた映画『バットマンVスーパーマン』用に体をつくっていたせいで、むやみにマッチョな男になってしまっている。前半はニックのしょうもなさが強調されてやはり妻の失踪の原因はこいつに….とミスリードしておき、真ん中あたりで謎解きがあり、後半はニックの反撃モードになる。ところで一貫して彼に味方する双子の妹がいるんだけど、彼女の設定がいまいちわからない。演出上は彼女はたんなる家族愛以上の思いをもっているかのような雰囲気なのだ。でもそんなにインパクトがある役目というわけじゃない。
終盤はちょっとエクストリームな人物像すぎな気もしたけれど、とにかく語り口といい、映像といい、音の入り方といい、ひたすらに「質の高いなにか、見せていただいとります」というたるみのない2時間半であり、まるでセルシオだのメルセデスだのの高級サルーンにのって高速をクルージングしているみたいな映画だった。