『マネーボール』


<公式><予告編>
ここでのホフマンはGMビリー・ビーンブラッド・ピット)と対立する昔気質っぽいベテラン監督。よく審判に猛抗議して出っ腹をぶつけるみたいなアレだ。GMがおす選手をぜったい使わず、選手起用はオレのテリトリーだ、とあごを突き出す。でもGMの逆襲でひいきの選手をトレードにだされて半泣きの顔になる。しぶしぶポンコツのはずのGM押しの選手たちを使っていくと、その後チームはあれよあれよと…というぐあい。五分刈りでマッチョ気質のアメリカンなおじさんキャラ(田舎にいがちな、がんこで保守的なおっさんのタイプ)で、いつもとは結構雰囲気が違うから最初はわからなかった。そうか、この手のキャラもいけるんだなーという印象だ。監督が『カポーティ』のベネット・ミラーだからホフマンの出演もとうぜんといえばとうぜん(『カポーティ』はフィリップ自身の制作だしね)。

映画自体はそれなりに面白かったし、ブラッド・ピットの「この人一生かっこわるくなることはないだろうな…」という映画的すぎるたたずまいにはたしかに惚れるけど、展開があまりにも絵に描いたような 挫折>問題発生>トライ>挫折>復活>栄光 的なパターンどおりじゃないの、という印象はちょっとある。個人的には<ボールパーク(野球場)>   というものの美しさと、野球人にとっての神聖さみたいな雰囲気をどーんとどこかで出してくれるともっと感動したかな。単なる仕事場じゃなく、というね。少しそれっぽいシーンはあったんだがわりと薄味だったし。まぁそれは僕の勝手な思い込みだけど。