剣岳 点の記 木村大作

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 これはビッグスクリーンで見るべきだったんだろうね。というのもやはり主役は壮大な風景で、ドラマの部分はあまりにもコクに欠けるからだ。朴訥でありながら信念の人である主人公(浅野忠信)チームと、イヤミなライバルのようでいて最後には讃えあう同志になるアルピニスト仲村トオル)チームとの関係、地元のガイド(香川照之)への息子の反発と尊敬、若手隊員(松田龍平)の突っ走りと失敗、そして軍上層部の不理解。付け足しとして主人公と妻(宮崎あおい)との時代性を超えたラブラブ感。正直脚本が平板だといいたくなる。お話を語る以上まで彫り込んでいないイメージだ。しかしオチが実にいい。修験の力。あとは、そうまでして山に登る隊員たちの使命が「測量する」「地図を作る」だというところは何だか実にいい。