イコライザー


<予告編>
ストーリー: 1人だけどきちんと暮らす初老の男、マッコール(デンゼル・ワシントン) 。 毎朝バスに乗ってホームセンターに勤務し、帰ると近くのダイナーでひとしきり読書にふける。ダイナーの常連、シンガーを目指しているテリー(クロエ・グレース・モレッツ)はロシアシンジケートの配下で売春をさせられ、客とのトラブルで組織にICU送りにされる。許せないものを感じた マッコール彼らのアジトに行く。ナイフも持たない丸腰だ。しかし彼の頭は「何秒で全員片付くか」だけだった.....


ま、TVドラマ発のジャンルムービーですからね。主人公は無双だし敵は小気味よくやられるためにいる。 敵の暴力性描写はクライマックス大勝負の手応え感を高める目的だ。戦いはスリリングではあるけれど爽快感に満ち、いい感じに脇役にも見せ場がある。
ロシアンマフィアと女性のヒューマントラフィックといえば名作『イースタン・プロミス』がある。あの冷んやりした組織の怖さ。今度の敵はお話的にははるかに巨大だ。構成員おなじみの全身タトゥーも迫力だ。でもいまいち怖くない。
終盤になると主人公の剛力ぶりが加速して、組織のコアな部分をあっさり1人で破壊していく。相当な難ミッションのはずなのに現場に行くと次のシーンでは片付いていて、主人公が振り向きもせず歩み去る後ろで、巨大な敵が崩壊していく。
というそんなこんなをマッチョなタフガイ系じゃなく滋味溢れるデンゼル・ワシントンがこなしてるのは、まぁいまのトレンドなんでしょうね。戦いの途中でみせるひょうひょうとした表情が独特のクールさの表現になっている。
ちょっと前に見た『狼の死刑宣告』は定型ではあるけれど、主人公の変容と暴力の正当性への疑問が一応あった。あとちょっとダサめのおじさんがじつは過去に....パターンは『ヒストリー オブ バイオレンス』がそうだ。あれだって暴力の行使はそれなりの何かを踏み越えた重みがあった。こちらの主人公は最初から完成してるし、敵の「処理」にもまるで悩みはない。能天気度1度高めのアクションムービーだ。