インサイドヘッド


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まあ、きっちりとよくできてるわけですよね。とうぜん心理学のコンサルタントやアドバイザーも入っているだろう。細かいところは思い出せないけれど、感情の5要素からはじまって、記憶が生成されて蓄積される感じ、脳内の広大な世界のなかで自分にとって大事な小世界(家族とか友情とかひょうきんさとか)が城のようにまとまった構造としてあるところ、夢の作られ方や機能、それに幼い時代の幻想のともだち……. どれもかっちりと裏打ちがあって、ロジカルにデザインされているんだろうと思う。
そして主人公の少女が落ち込んで落ち込みきってから立ち直ろうとする、じつはそんな大きなできごとが起こってない現実世界のなかで、いやいや心理的には強烈な葛藤があるんですよ、できればないほうがいいと思われがちな〈悲しみ〉にも大事な役目があるんですよ、とつたえつつ、ディズニーアニメならではの、脳内キャラクターたちの冒険や旅がちゃんと子供向けエンタメにもなっている。よく整理がついてますよね。

でもあれだな。画面デザインでいうと、『脳内ポイズンベリー』は現実世界が比較的いろとりどりできれい目に撮られていて、脳内世界は冷徹な感じのモノトーンな空間なのにたいして、本作は現実世界がすこしくすんだ色味で描かれていて、脳内世界は彩度がたかく澄んだ色の、絵に描いたような児童向け彩色になっている。構造上はよく似た2作のつくりかたやコンセプトのちがいがよく出てるところだ。