電撃フリント GO!GO!作戦


<予告編>
ストーリー:国際的な科学陰謀組織に脅迫されてあわてる国際的な情報組織。困った長官はゴージャスな自宅で4人の愛人とくつろぐ国際的なエージェント、フリント(ジェームス・コバーン)に仕事を依頼しにいく。フリントは全くやる気がないけれど、自分がすでにねらわれていることに気がついて、先手をうちにマルセイユへ飛ぶ。ローマを経由してもろもろありつつ敵の秘密基地へ。基地は大海にうかぶ、まるで特撮の模型みたいな島だった。組織をひきいる3人の科学者たちと暗殺者を相手にフリントの決死の戦いがはじまる……….


ジェームス・コバーンがスターの座を確定したというヒット作。いまだといくぶんネタとして観賞されるんだろう。「ネタとして見る」とは作り手のねらいと関係ないところで笑ったりおもしろがったりするという意味ね。すでに古いけれど『オースティン・パワーズ』がパロディにしたり、たしかにネタにしやすいのだ。本作がそもそも007をパロディ化した作品で、ゴージャスなスパイものを笑っているから、作り手の意図どおりのおかしさもあるし、そこそこまじめな(だと思う)部分でも、変装が安易だったり、セットがうそくさかったり、特殊メカや特撮がチープだったり、なぜ1人で国際組織をどうにかできるのかのロジックもまったくなかったり、当時の映画やドラマ(日本でも!)でよくあったみたいに、本筋とぜんぜん関係ないところでサイケ調になってみたり、初心者でも安心して突っ込める。とりあえずこの手の見方をしてみたいお客さんにはおすすめです。監督はべつにおふざけ映画が作風なわけじゃなく、他の作品はけっこう真面目なんだけど、なぜこの仕事したのかふしぎ。
国際的陰謀にスパイが立ち向かう国際派スパイアクションものとはいえ、主人公の命があぶないことになっていても、スリリングなシーンは基本的にない。だいたい主人公がほぼ超人で、だれにも負ける心配ないし、いざとなると自分で心拍をとめて仮死状態になれるのだ。脳死問題はどうなるのかとも思うが、そういう人だから。「こいつの命はどうなるッ!?」と本気で手に汗握りたい人にはどうかなと思います。