ダークシティ


<予告編>
ストーリー:ふと目がさめると記憶のない殺人者になっていた主人公。会う人ごとに謎めいたことをいうばかりの夜の街を、なにかの組織に追われながらさまよう。妻だったはずの女はクラブシンガーになっている。主人公には特殊な能力があった。ちらちらと見せられるあるキーワードとは。そんなこんなでレトロSF調の物語はつづく.....

なんかあんまり残らなかったなあ。1998年公開だ。その時代に見たらどうだったか...... ぱっと一口で言うと、夜の『トゥルーマンショー』という感じがした。主人公が世界全体だと思っていたそこは、誰かにコントロールされて、自分の意識も制御されていた限りある空間、というようなね。物語上はとうぜん、かれはそこから脱出しようとするわけだ。

マトリックス』とほぼ同時代で、なんとなく道具立も似てる気がしなくもない。『マトリックス』が完全に仮想世界だったのと比べると、この街にはもう少し実体がある。トゥルーマンショーでは世界をコントロールしてたのはプロデューサーみたいな人だったけど、本作では宇宙人だ。夜が明けない街のイメージはいろんな作品でおなじみだ。わりと最近見たところでは『嗤う分身』がそうだった。ところで、この手の夜の街描写って、じつによくエドワード・ホッパーの「NightHawks」のイメージを借用するよね。SF設定のなかでレトロな(1930-1940年代風な、っていうことなのかな)記号的ファッションの男女がうごくのもわりと見かける。『ガタカ』だってそれやってた。あの時代のスタイルって、アメリカ人から見て、どこか永遠の格好よさがあるのかね。
クライマックスでCGの光が飛び交う超能力対決になったところで既視感が頂点に達した。おまえはスーパーサイヤ人かと。ネタバレさけるが、ラストシーンのビジョンはよかったかな。