宗方姉妹


<断片映像>
ストーリー:1950年頃、結婚が上手く行っていない夫婦(山村聡田中絹代)の家には妻の妹(高峰秀子)も住んでいる。妹は「アプレゲール」といわれる戦後ッ娘。父(笠智衆)はガンで死期が近い。妹は姉の昔の恋人(上原謙)と姉がいっしょになればいいのにと思っている。
これはぴんとこなかったなー。なんでだろう。主演3人の演技はなかなかだろうとは思うのだ。妹のちょっとぶっとび・不思議ちゃんキャラも悪くない。文芸作品原作ものということで安易にまとめてしまうが、川島雄三で言うと『明日くる人』的な、監督の魅力が微妙にスポイルされてるような感じというか。それにしてもアプレゲール。よっぽど流行ったのか、監督たちにささることばなのかね。溝口の『祇園囃子』』『噂の女』黒澤の『野良犬』それにこの作品。みんな「君みたいなのはアプレゲールだよなあ」みたいに言われている。
『明日来る人』で老け役のパトロンを演じた山村聡が、年相応の苦い失業中年(しかも妻の心ははなれている)を演じる。こちらのほうがはるかにいい。それから映画の冒頭で医学部の教授が講義するシーンがある。京大だっけ。この教授が、『生まれてはみたけれど』のお父さん、斎藤達雄だ。