麻薬ーメキシコをめぐる2本

当ブログで取り上げているメキシコやメキシカンを描いた映画、どれも外部の作り手が見たメキシコだけど、残念なことに明るい風景にくらべてダークなテーマがいやに多い。腐敗+警官モノの『エル・パトレイヨ』、『闇の列車、光の旅』は不法移民と少年ギャング、『エンド・オブ・ウォッチ』はLAのメキシコ系ギャング。『ファストフード・ネーション』はきつい食肉業界で働く不法移民。ちょっとうーんとなるのは、どれもそんな世界にたいする「本質はどうしようもない」という乾いた諦念みたいなものがいつもあることだ。麻薬取引が横行して、腐敗が日常になり、ギャングが支配する(みたいに描かれる)世界を変えるのはもちろん、そこに巻き込まれまいとする抵抗もむなしい努力なのだ。いったん狙いをつけたら、かれらは確実になにかを持っていく。今日の2本も諦念はますます深い。というかそれがテーマじゃないかと思うくらいだ。