永遠の子供たち


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ストーリー:夫婦が買取った海の近くの屋敷はむかし孤児院だった。ここで育った妻は障害のある子供達のための施設を始めようとしている。一人息子はなぜか見えない「友だち」と遊んでいる。少し不安に思いながらもオープニングのパーティーをひらいた夫婦だったが、パーティーのさなかに息子が消えてしまう…...

2007年、スペイン・メキシコ製作。ていねいに作っている映画だった。ギレルモ・デル・トロが製作にはいったこの映画、だからでもないけれど『パンズ・ラビリンス』的な香りはたしかにある。息子はどうなったの?というサスペンスでお話を引っ張りながら、どこかJホラー的な雰囲気もただよっている。オチもきちんとついてかっちりできてもいる。絵だってまあまあきれいだし、見ればそれなりの満足度はあるはずだ。でもなぁ.....なんだろう。
脳内レーダーチャートで表現すると、自分にとってはバランスは取れているんだが飛びだしたところがないグラフになりそうだ。チャートの項目がなにかは全然考えずにいま書いた。難癖気味に1項目だけいえば、チャートの「美女・美少女」項目のへこみが顕著なのは厳粛な事実。ヒロインであり一人のエナジーでお話を引っ張っていくお母さんは、かなりウェザリングが効いた風貌だ。

物語のキーになる子供のひとりは手作り風のそまつな覆面をいつもかぶっている。このありようにどうしようもなく松本大洋を思い出してしまった。というか彼は漫画外のかなり幅広いところからイメージを引用してくる人だから(ヨーロッパの原初的な祭りの仮装とか東北地方の人形とか「あっこれ、アレの…..」というのがある)、時間的な前後は別にして似たようなソースからインスパイアされてるのかもしれない。