クロニクル


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誰が見ても金田と鉄雄+『アメリカン・ティーン』。もちろん監督も『アキラ』の影響は明言してる。うっ屈した、劣等感にさいなまれたボーイがサイキックパワーを手に入れると人格まで変わっていき、でもそのぜい弱な人格は増大するパワーに飲み込まれていく....系。これ系でぼくが好きなのはジョン・カーペンターの『クリスティーン』だ。これは魔物化したクルマが彼のパワーなのだ。あとはやっぱり『キャリー』だよね。地味で内気でいじめられる側の子→秘めた力→予想しなかった晴れ舞台→の、はずが…→ 的な。

この映画のクライマックスは主人公と親友の市街戦。見せ場なんだけど、ゲーム画面化してしまっていて、ひとことで言って軽い。見ていてどことなくしぼんだ。そこまではPOV(主観カメラ)風映像で、お話に合わせて撮り方に幅がでてくる面白さもあったんだけど、対決シーンではそうもいかない。記録カメラ風にしたりはあったけどね。
主人公はめぐまれない家庭の一人っ子。病気の母にはほとんど存在感はなくて、彼の行動に影響をあたえるのは元消防士のダメ父の方だ。ここでも父か。象徴的に父を滅ぼすことが主人公の破滅の一押しになる。