さんかく


<予告編>
ストーリー:同棲しているカップル(高岡蒼甫田畑智子)のところに彼女の妹(小野恵令奈)が夏休みに遊びにくる。無邪気をよそおいつつ何げに女を全開にする妹に、男はあっという間にはまる。妹が田舎に帰っても気持ちはおさまらずに、その勢いで女と別れてしまう。あきらめられない女は...

この監督、ほのぼのとした雰囲気をただよわせつつけっこう切り込んでいる。「ふつうの日常にひそむナニを不気味に描く」系の映画はあるが、この映画のばあい、けっこう不気味な出来事をほのぼのと可愛く描く。
そもそも30男が(そしてその視線を借りた観客が)中学生をあからさまな性的興味の対象として見ているわけだからね。もちろん犯罪的に一線を越えるわけではないし最終的にはアホとしてある種の断罪をされるんだけど、元AKBの子とかが普通に出るんだ...という意外感はちょっとある。
主演の3人との友達役の矢沢心、 それぞれ絶妙に残念な感じをにじませていていい。監督の「田畑智子は演技のトーンの微調整ができる」という言葉になかなかしびれた。いらいらした、でも可愛いところのある女→あきらかに一線を越えてしまっている、でも可愛いところのある女ときて、最終的には菩薩化する。
姉妹の実家は、お話上はわりと遠そうだけどロケ地は飯能。広々した敷地が生垣で囲まれる農家風だ。いっぽう、ここで描かれる東京があまりにも「いけてる東京」じゃないところが面白い。パッとしない東京。