サイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者


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第1作の『SRサイタマノラッパー』。この映画のすごいところは一カ所も格好いい絵がないというとこだったと思う。街の風景も、彼らのなりも、というか役者そのものも、はっきりいえばそこでやるラップも、すべてが痛々しいくらいひたすらに格好わるい。こぎれいにもそこそこ格好よくも切り取りたければ切り取れたかもしれないものも、容赦なく、距離を取って、格好悪さを見せつける。そこに当事者の幻想にいっしょに浸らない、それでいて共感している、そんな視線があった。
『2』は見てないが、そしてこの『3』。主演はレギュラーの中では一番「格好いい」に近いマイティーだ。そして今回はいろいろな所に、そこそこに格好いい絵がちりばめられるようになった。それはもちろんクオリティーの上昇なんだろう。でも最初の徹底した感じはなくなった。それより、地方都市のダークサイド(のわりと下の方)のうごめきみたいなのを、ある程度戯画化しつつも突き放して見せつけているところが面白さになった。シリーズ主人公のIKKUたち平和なラッパーたちは、さすがに少々コメディ上のお約束の存在にしか見えなくなってきてる。ぼくがこの世界に遠いからだろうけど…。悪役の小ボス、車屋のおやじが図抜けて格好いいと思ってみていたら、永澤俊矢じゃないの。無理ないわ…つまり絵面上の格好よさの世界に入っていけば、そこにはとうぜん本職がいるんだということだ。